「台湾ラーメン」という名前を初めて聞いたとき、私はてっきり台湾の料理だと思い込んでいました。ところが調べてみると、生まれ故郷は名古屋。台湾には存在しないラーメンだというのです。こんな話があるのか、と思わず二度読みしてしまいました。
真っ赤なスープの上に、唐辛子とニンニクで炒めた「台湾ミンチ」がどっさり。ひと口すすれば額に汗がにじみ、それでもレンゲが止まらない。名古屋の人たちが半世紀にわたって愛してきた、刺激的なソウルフードです。
この記事では、台湾ラーメンの誕生秘話から台湾ミンチの正体、名古屋で味わえる名店5軒、そして自宅で作れる簡単レシピまでをまとめました。出張や旅行のついでに立ち寄れるお店も、辛さが苦手な方の頼み方も紹介しています。週末の話のネタに、ぜひ最後までお付き合いください。

真っ赤なスープと台湾ミンチ。見た目からして辛さが伝わってくる一杯です
この記事のもくじ
台湾ラーメン クイック情報
| 発祥 | 1970年代(昭和40年代)/愛知県名古屋市・今池「味仙」 |
|---|---|
| ルーツ | 台湾の麺料理「担仔麺(タンツーメン)」を辛口にアレンジ |
| スープ | 鶏ガラベースの醤油味。唐辛子とニンニクの辛味が溶け出す |
| 麺 | 中細〜中太のストレート麺。白っぽく淡白な味わい |
| 定番の具 | 台湾ミンチ(豚ひき肉)、ニラ、もやし、長ネギ |
| 価格帯 | おおむね800〜1,000円前後 |
| 辛さの目安 | 辛さレベル 4/5 ※店舗・注文方法で調整可 |
| 提供店舗 | 名古屋市内の中華料理店・ラーメン店を中心に多数 |
| ご当地度 | ★★★★★ |
台湾ラーメンの歴史・由来
「台湾にない台湾ラーメン」という不思議
台湾ラーメンの生まれた場所は、名古屋市千種区の今池。中国台湾料理店「味仙(みせん)」が、その発祥の店として知られています。台湾出身の創業者・郭明優(かくめいゆう)さんが考案した一杯が、すべての始まりでした。
名前に「台湾」とついているのに、台湾には存在しない。この不思議なねじれこそが、台湾ラーメンの物語の核心です。台湾の人が名古屋で作ったから「台湾ラーメン」。理由はいたってシンプルでした。
味仙の今池本店が創業したのは1960年代のこと。当初はラーメンやチャーハン、餃子を出す、ごく普通の中華料理店だったと伝えられています。そこから少しずつ、台湾の味がメニューに加わっていきました。
まかないから生まれた一杯
台湾ラーメンの原型になったのは、台湾の屋台料理「担仔麺(タンツーメン)」です。小ぶりの器で供される、あっさりとした汁麺。本来はそれほど辛い料理ではありません。
この担仔麺を、郭さんは思い切り辛口にアレンジしました。1970年代、従業員のまかないとして作られたのが最初だったと言われています。つまり台湾ラーメンは、お客様向けのメニューとして設計されたものではなかったのです。
ところが、この激辛のまかないを常連客が欲しがった。そこから正式なメニューに昇格し、やがて行列のできる看板料理へと育っていきます。まかないが名物になるという展開は、なんだか痛快ですよね。

発祥の地・今池。ここから名古屋めしの一角を担う一杯が広まりました
兄弟でのれん分け、そして名古屋全体へ
味仙のもうひとつの面白さは、その広がり方にあります。長男である明優さんが今池本店を創業したのち、兄弟でのれん分けをしていったのです。次男、長女、次女、三男の5人が、それぞれ別の会社として経営しているとされています。
つまり「味仙」という看板は同じでも、経営は5系統に分かれている。そのため、店舗によって辛さや味の輪郭が微妙に違うのだそうです。同じ名前の店をハシゴして食べ比べる楽しみ方ができるラーメンは、そう多くありません。
味仙は現在、名古屋市内を中心に愛知県内、さらに東京や大阪にも店舗を展開しています。そして名古屋では、味仙以外の中華料理店やラーメン店も次々と台湾ラーメンをメニューに加えていきました。
こうして台湾ラーメンは、一店舗の看板メニューから「名古屋めし」の代表格へと立場を変えていきます。味噌カツ、ひつまぶし、手羽先と並んで名前が挙がる存在になったのです。地元の人が日常的に食べ、観光客がわざわざ訪れる。その両方を満たしているところに、ご当地グルメとしての強さを感じます。
豆知識:手羽先とのつながり
味仙の看板メニューは、台湾ラーメンだけではありません。台湾風に甘辛く煮込んだ手羽先も、創業当時からの名物として知られています。名古屋めしの二枚看板が同じ店から広がっていったというのは、なかなか味わい深い話ではないでしょうか。
味の特徴:スープ編

ベースは、意外にも上品な鶏ガラ醤油
見た目の赤さに身構えてしまいますが、台湾ラーメンのスープの土台は鶏ガラベースの醤油味です。それ自体は、驚くほどオーソドックス。豚骨のようなこってり感はなく、輪郭のはっきりした澄んだ味わいが基本にあります。
この上品な土台があるからこそ、辛さが暴力的にならずに済んでいるのだと思います。ベースが濃厚すぎると、唐辛子とぶつかって重くなる。あっさりした鶏ガラ醤油だからこそ、辛味と旨味が前に出てくるわけです。
台湾ミンチが溶け出して味が変わる

台湾ラーメンの面白いところは、スープが「完成品として出てこない」点にあります。丼の中で台湾ミンチの辛味と旨味がじわじわ溶け出し、食べ進めるほどに味が濃く、辛くなっていくのです。
口コミを読んでいると、この変化に言及している方が本当に多い。最初のひと口で「あ、いける」と思ったのに、半分を過ぎたあたりから額に汗が浮かんでくる。そういう体験談があちこちで語られています。
そして不思議なことに、辛さに慣れてくると、その奥からほのかな甘味とコクが顔を出すのだそうです。ニンニクの香ばしさ、豚ひき肉の脂の旨味、醤油のキレ。辛味の壁を越えた先に、ちゃんとご褒美が用意されている。多くの人が「クセになる」と表現するのは、この構造ゆえでしょう。
辛さは自分で選べる
「辛いものが苦手だから無理かも」と思った方、ご安心ください。発祥店の味仙では、辛さを調整した注文方法が用意されています。
| 呼び方 | 内容 |
|---|---|
| アメリカン | 唐辛子の量を半分ほどに減らした、辛さ控えめバージョン。辛いものが得意でない方や、お子さんと一緒のときの選択肢になります |
| 台湾ラーメン | 標準。それでも一般的なラーメンと比べればかなりの辛さです |
| イタリアン | 唐辛子を大幅に増量した激辛バージョン。辛さ自慢の方向けの挑戦枠です |
「アメリカン」「イタリアン」という呼び名の由来については諸説あるようですが、コーヒーの「アメリカン(薄め)」から来ているという説がよく語られています。この注文の仕方を知っているだけで、職場での話のネタがひとつ増えますね。
家族で訪れるなら、大人は標準、お子さんはアメリカン、という組み合わせもできます。ひとつのラーメンで辛さの階段を用意してくれているのは、みんなで食べに行く側からするとありがたい仕組みです。
味の特徴:麺編
台湾ラーメンの麺は、中細から中太のストレート麺が主流です。色は白っぽく、いわゆる「ラーメンらしい黄色い縮れ麺」とは印象が異なります。
この麺、単体で食べるとかなり淡白です。小麦の風味は感じられるものの、麺そのものが自己主張してくることはありません。でも、これが台湾ラーメンにとっては正解なのだと思います。
主役はあくまでスープと台湾ミンチ。麺が個性を張ると、辛味と旨味の勝負に横やりを入れてしまいます。淡白な麺だからこそ、真っ赤なスープをまっすぐ運ぶ器になれるわけです。
ストレート麺がスープを吸う

ストレート麺は縮れ麺と違い、スープを「絡め取る」タイプではありません。その代わり、麺自体がスープを吸い込んでいきます。噛んだ瞬間に、内側からじゅわりと辛味と旨味が広がる感覚です。
食感はしっかりめ。淡白ではありますが、頼りない柔らかさではなく、歯を入れたときに適度な返しがあります。この食感が、辛さで揺さぶられた口の中に一定のリズムを与えてくれます。
もっとも、麺の太さや加水の具合は店によってかなり違います。中細でスープをぐんぐん吸うタイプもあれば、中太でしっかりした食べ応えを打ち出す店もある。食べ比べるなら、麺の違いにも注目してみると発見が増えるはずです。
味の特徴:トッピング・具材編
すべての中心にある「台湾ミンチ」
台湾ラーメンを台湾ラーメンたらしめているのが、「台湾ミンチ」と呼ばれる具材です。豚のひき肉を、唐辛子とニンニクでしっかり炒めた(あるいは煮込んだ)もの。これがスープの上にどっさりと積まれます。
店によっては、粗くカットした鷹の爪がミンチの中に大量に混ざっています。見ただけで辛さが伝わってくる、あの赤い粒です。この台湾ミンチが、丼の中で辛味と旨味の供給源として機能し続けます。
そして肝心なのは、台湾ミンチが「ただ辛いだけ」ではないという点。ニンニクの香ばしさと豚肉の脂の甘味が、辛さと同じ強さで存在しています。だからこそ、汗をかきながらも次のひと口に手が伸びるのでしょう。

台湾ミンチ。この赤い粒が、丼の中で辛味を放出し続けます
ニラともやしの役割
台湾ミンチと並ぶ定番が、ニラです。ざく切りにされたニラが、辛いミンチと一緒にたっぷり盛られます。ニラ特有の香りが、ニンニクの香ばしさと重なって食欲を刺激してきます。
もやしを加える店も多く、こちらはシャキシャキとした食感で箸休めの役割を果たします。真っ赤なスープの中で、緑と白がちらりと見える。この配色があるかないかで、丼の印象はずいぶん変わります。
栄養の面でも、ニラともやしの存在は大きいところです。ラーメンというと野菜不足になりがちですが、台湾ラーメンは一杯でそれなりの量の野菜が摂れます。「ラーメンばかり食べて」と家族に言われがちな方には、ささやかな言い訳材料になるかもしれません。
穴あきレンゲという名脇役
店によっては、穴のあいたレンゲが一緒に出てきます。これがなかなか気が利いていて、スープの底に沈んだ台湾ミンチをすくい上げるのに使えるのです。
普通のレンゲだとスープごとすくうことになり、辛さでお腹がつらくなる。穴あきレンゲなら具だけを拾えます。最後まで台湾ミンチを残さず食べきれる、地味ながらありがたい工夫です。
名古屋で台湾ラーメンを味わえる名店5選
ここからは、台湾ラーメンを語るうえで外せない5軒をご紹介します。元祖の一杯から、地元に密着した屋台系まで。出張や旅行のスケジュールに組み込みやすいお店も選びました。
※営業時間・定休日・価格は変更されることがあります。訪問前に公式情報や食べログなどで最新の状況をご確認ください。
1. 味仙 今池本店|すべてが始まった一杯
- 住所
- 愛知県名古屋市千種区今池1-12-10
- アクセス
- 地下鉄東山線「今池駅」9番出口から徒歩約2分/JR「千種駅」から徒歩約8分
- 営業時間
- 17:00 – 00:30
- 価格帯
- 台湾ラーメン850円
- 座席
- 1階・2階あわせて約280席
台湾ラーメン発祥の店として、まず名前が挙がるのがここです。今池の繁華街にあり、1階と2階を合わせた席数は約280。味仙グループの中でも規模が大きく、グループでの利用にも向いているとされています。
訪れてみると、まず驚くのは丼から立ち上る香りだそうです。ニンニクと唐辛子が油の中で香りを開かせた、あの独特の匂い。運ばれてきた瞬間に、覚悟が決まる一杯だと言われています。
口コミで繰り返し語られるのは「見た目をはるかに上回る辛さ」。粗くカットされた鷹の爪がどっさり入り、ひと口すすった瞬間に強烈な刺激が走ります。それでも台湾ミンチの旨味が溶け出したスープには深みがあり、レンゲが止まらない。台湾ラーメンのほか、手羽先やアサリ炒めなども看板メニューとして親しまれています。280席という規模なら、同僚と連れ立って行っても入りやすいはずです。

元祖の一杯。鷹の爪の量に、思わず息をのみます
2. 味仙 JR名古屋駅店|出張の合間に立ち寄れる
- 住所
- 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 JR名古屋駅
- アクセス
- JR「名古屋駅」からすぐ
- 営業時間
- 11:00 – 23:00
- 価格帯
- 台湾ラーメン950円
「名古屋に行くけれど、今池まで足を延ばす時間はない」。そんな方にとって、この上なくありがたいのが名古屋駅店です。新幹線に乗る前や、商談の合間にも立ち寄れる立地にあります。
味仙は兄弟でのれん分けをしているため、系統によって味の輪郭が違うとされています。今池本店と食べ比べてみると、同じ看板なのに印象が変わる。その違いを探すのも、ちょっとした楽しみ方です。
口コミでは「他にも台湾ラーメンを出す店はあるけれど、やっぱり味仙は唯一無二」という声が目立ちます。中華料理のメニューも揃っているので、軽く飲んで締めに台湾ラーメン、という使い方をする方も多いようです。出張帰りの一杯としては、これ以上ない選択肢かもしれません。

名古屋駅から徒歩圏。出張のスケジュールにも組み込みやすい一軒です
3. 台湾ラーメン光陽|ドラマで注目された実力店
- 住所
- 愛知県名古屋市西区比良3-139
- アクセス
- 東海交通事業城北線「比良駅」が最寄り/名古屋駅からJRで「枇杷島駅」へ、城北線に乗り換え
- 営業時間
- 17:00 – 23:30
- 定休日
- 火曜日
- 価格帯
- 台湾ラーメン800円
名古屋市西区にある「台湾ラーメン光陽」は、人気グルメドラマ『孤独のグルメ』で取り上げられたことをきっかけに、広く知られるようになった一軒です。遠方から何度も足を運ぶファンがいるとも伝えられています。
名古屋の中心地からは電車で15〜20分ほど。決してアクセスがいいとは言えない場所にあります。それでも人が集まり続けているという事実が、この店の実力を物語っているように思います。
わざわざ乗り換えをして訪ねる価値があるかどうか。その判断は人それぞれですが、「名古屋の台湾ラーメンを一通り知りたい」と考えるなら、候補から外せない一軒です。休日にドライブがてら、というのも悪くない選択でしょう。

中心地から少し離れた立地。それでもファンが通い続ける一軒です
4. ゆきちゃんラーメン 千早本店|屋台から続く地元の味
- 住所
- 愛知県名古屋市中区千代田5-12-1
- アクセス
- JR・地下鉄「鶴舞駅」から徒歩圏
- 営業時間
- 17:00 – 23:00
- 定休日
- 日曜日
- 価格帯
- 台湾ラーメン1,200円
味仙に匹敵するほど地元で愛されている、と紹介されることが多いのが「ゆきちゃんラーメン」です。ルーツは屋台。かつては名古屋市内に複数の店舗がありましたが、現在営業しているのは千早本店と引山店の2店舗とされています。
観光ガイドの大見出しに載るタイプの店ではありません。それでも地元の人が静かに、しかし熱く支持し続けている。こういう店こそ、その土地の食文化の厚みを教えてくれる存在だと思います。
千早本店はJR・地下鉄「鶴舞」駅の徒歩圏にあり、名古屋駅や栄駅からもアクセスしやすい場所にあります。「元祖も食べたけれど、地元の人が通う店も知りたい」という方には、ちょうどいい2軒目になるはずです。

屋台をルーツに持つ一杯。地元の常連が支え続けています
5. 麺屋はなび 高畑本店|台湾まぜそば元祖が作る台湾ラーメン
- 住所
- 名古屋市中川区高畑1-170
- アクセス
- 地下鉄東山線「高畑駅」から徒歩圏
- 営業時間
- 昼11:30~14:00 夜18:00~21:00
- 定休日
- 定休日:毎週月曜日・第1・第3火曜日 ※令和8年8月から無休営業予定
「台湾まぜそば」の生みの親として、今や全国に名を知られる麺屋はなび。その総本山が高畑本店です。まぜそばの元祖として有名ですが、スープのある台湾ラーメンもきちんとメニューに並んでいます。
はなびの台湾ラーメンで語られるのは、やはり台湾ミンチです。台湾まぜそばのために研究を重ねた台湾ミンチが、鶏ガラベースのスープに深いコクとパンチを加えている、と評されています。
味仙のストレートな辛さとは、少し趣が違うのだそうです。より複雑で、重層的な旨味が感じられる。同じ「台湾ラーメン」という名前でも、作り手が変われば表情が変わる。その振れ幅を確かめられるという意味で、締めくくりの一軒にふさわしい店だと思います。

台湾まぜそばの元祖が手がける、スープありの一杯
台湾ラーメンと台湾まぜそばの違い
最大の違いは、スープの有無です。台湾ラーメンが「辛旨いスープを味わう料理」であるのに対し、台湾まぜそばは麺・具材・タレを混ぜて食べる汁なし麺。台湾まぜそばもまた名古屋発祥で、その元祖が麺屋はなびとされています。
誕生のきっかけも面白いところです。台湾ラーメン用のミンチを作ったものの、スープとの相性がうまくいかなかった。そこで試しに茹でた麺の上にのせてみた——それが始まりだと言われています。台湾ラーメンから枝分かれした兄弟のような存在なのです。
地元の人は、台湾ラーメンをこう食べている
名古屋の人にとって、台湾ラーメンはどんな存在なのでしょうか。地元での語られ方を、いくつかの声としてまとめてみました。
金曜の夜、同僚と飲んだあとの締めはだいたいこれです。翌朝ニンニクの匂いが残るのは承知の上。それでも「今日は台湾いっとくか」の一言で全員の意見がまとまるんですよね。名古屋で働く者の共通言語みたいなものです。
(42歳・会社員)
子どもの頃、父に連れられて初めて食べたときは辛くて半分も進みませんでした。今では自分が父親になって、息子を連れて行く側です。息子にはアメリカンを頼んでやります。私も昔そうしてもらったので。
(39歳・自営業)
東京に転勤していた三年間、いちばん恋しかったのがこの味でした。似たものはあるんですけど、あの汗のかき方にはならないんです。帰ってきて最初に食べたときは、正直ちょっと泣きそうになりました。
(45歳・会社員)
こうして並べてみると、台湾ラーメンが単なる「辛いラーメン」ではないことがよく分かります。飲み会の締め、親子の通過儀礼、故郷の記憶。一杯の丼に、いろいろな場面が結びついているのですね。
気になるカロリーと栄養バランス
健康診断の数値が気になり始める世代としては、やはりここも押さえておきたいところです。台湾ラーメン一杯のおおよその栄養成分を整理しました。
| 項目 | 1杯あたりの目安 |
|---|---|
| エネルギー | 約500〜600kcal |
| たんぱく質 | 約22〜28g |
| 脂質 | 約15〜20g |
| 炭水化物 | 約60〜70g |
| 食塩相当量 | 約6〜8g |
※あくまで一般的な台湾ラーメンの目安です。店舗・具材の量・スープを飲む量によって大きく変わります。
実は、こってり系より軽い
数字を見て「思ったより低い」と感じた方もいるのではないでしょうか。台湾ラーメンは豚骨系のような濃厚なスープではなく、鶏ガラベースの醤油味です。そのぶん脂質は抑えめになります。
担々麺と比べてもカロリーは低めだと言われており、これが広まった要因のひとつという見方もあります。「辛い=重い」というイメージとは、実際のところ少し違うわけです。
気をつけたいのは塩分
一方で注意しておきたいのが食塩相当量です。ラーメン全般に言えることですが、スープを最後まで飲み干すと塩分がかなりの量になります。
台湾ラーメンの場合、辛さのおかげで自然とスープを残しやすいという側面もあります。無理に飲み干さず、台湾ミンチと麺を楽しんだところで箸を置く。それだけで数値はずいぶん違ってきます。
また、ニラやもやしが入っているぶん、野菜量はラーメンの中では健闘している方です。餃子やチャーハンをつけるかどうかで総量は変わりますので、そのあたりは体調とご相談ください。
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名古屋まではなかなか行けない。けれど、あの味は食べたい。そんなときのために、家庭で作れる簡易版のレシピをまとめました。
ポイントは、台湾ミンチさえ作れれば八割は完成するという点です。材料はすべてスーパーで揃いますし、調理時間は20分ほど。週末に家族と作るにも、ちょうどいいボリュームです。
材料(2人分)
【台湾ミンチ】
- 豚ひき肉 200g
- にんにく 2片(みじん切り)
- 鷹の爪 3〜5本(輪切り/量はお好みで)
- ごま油 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 醤油 大さじ1.5
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
【スープ・その他】
- 水 600ml
- 鶏がらスープの素 大さじ1.5
- 醤油 大さじ1
- 中華麺 2玉
- ニラ 1束(4cm幅に切る)
- もやし 1/2袋
作り方
- 下ごしらえ:にんにくをみじん切り、鷹の爪を輪切り、ニラを4cm幅に切ります。切るものはこれだけです。
- 香りを油に移す:フライパンにごま油、にんにく、鷹の爪を入れ、弱火でゆっくり加熱します。ここが最大のコツ。強火にすると、にんにくが焦げて苦くなります。
- ひき肉を炒める:香りが立ったら豚ひき肉を加え、中火でパラパラになるまで炒めます。
- 味をつける:酒、醤油、オイスターソース、砂糖を加え、水分が飛ぶまで炒めます。これで台湾ミンチの完成です。
- スープを作る:別の鍋に水と鶏がらスープの素、醤油を入れて温めます。あっさりめでかまいません。
- もやしとニラを加熱:スープの鍋にもやしを入れ、30秒ほど。ニラは食感を残したいので、盛り付け直前にさっとくぐらせる程度で十分です。
- 麺を茹でて盛り付け:中華麺を表示時間どおりに茹で、湯切りして丼へ。スープを注ぎ、台湾ミンチ、ニラ、もやしをのせたら完成です。
再現のコツ
- 辛さは鷹の爪の本数で調整:お子さんと食べるなら1〜2本に。大人用には炒めた鷹の爪を後のせすれば、同じ鍋で辛さを分けられます
- スープは薄めに:台湾ミンチの味が濃いので、スープは物足りないくらいでちょうど良くなります
- 台湾ミンチは多めに作る:冷蔵で数日もちます。ご飯にのせても、豆腐にのせても優秀です
- ニラは最後に:煮込むと香りが飛びます。余熱で火を通すくらいの気持ちで
台湾ミンチを多めに作っておくと、翌日の楽しみが増えます。白いご飯にのせるだけで一品になりますし、余った麺と和えれば台湾まぜそば風にもなる。休日の午前中に作っておけば、その日の夕食まで働いてくれる優秀な常備菜です。
本場の味を、自宅で。ご当地ラーメンをお取り寄せする楽しみ
ここまで台湾ラーメンの話を続けてきて、ひとつ思うことがあります。台湾ラーメンは、間違いなく「特別な日の一杯」だということです。
汗をかき、鼻水をすすり、翌朝はニンニクの残り香とともに目を覚ます。あの体験は刺激的で、だからこそ記憶に残ります。ただ、毎日食べたいかと聞かれると——正直なところ、少し考えてしまいますよね。
その対極にあるのが、私が長く付き合ってきた徳島ラーメンです。濃口醤油の甘辛いスープに、豚バラ肉と生卵。ガツンと来るのに、なぜか毎日食べても飽きない。ご飯が止まらなくなる、あの日常的な旨さです。
台湾ラーメンが「非日常のごちそう」なら、徳島ラーメンは「日常の相棒」。方向は違いますが、どちらも濃い味でスタミナを補給するという点では、実は同じ場所を目指している気がします。名古屋で汗をかいた翌週に、徳島の甘辛い一杯で落ち着く。そんな順番も、悪くないと思うのです。
マルメン製麺所の徳島ラーメン。濃口醤油の甘辛いスープが特徴です
徳島ラーメンを、みんなでシェアしませんか
マルメン製麺所では、創業以来守り続けてきた徳島ラーメンをご自宅までお届けしています。 いちばん人気は、たっぷり楽しめる25食パックです。
職場の同僚5〜6人でシェアすれば、ひとり5食ずつ持ち帰れる計算です。 「今度これ、みんなで分けない?」の一言から、ちょっとした話題が生まれます。
辛いものが得意な同僚には、名古屋の台湾ラーメンの話とセットでどうぞ。 食べ比べの会話は、思いのほか盛り上がります。
25食パックを見るちなみに、自宅に徳島ラーメンの生麺がストックしてあると、先ほどの台湾ミンチが思わぬ活躍をします。甘辛い徳島スープに台湾ミンチを少量のせる。名古屋と徳島のいいとこ取りのような一杯になりますので、余った台湾ミンチの行き先に困ったら、ぜひ試してみてください。
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よくある質問
まとめ
- 台湾ラーメンは名古屋発祥。台湾には存在せず、台湾出身の創業者が担仔麺を辛口にアレンジしたのが始まりです
- 始まりはまかない。1970年代に従業員用として作られた一杯が、名古屋めしの代表格へと成長しました
- 主役は台湾ミンチ。唐辛子とにんにくで炒めた豚ひき肉が、丼の中で辛味と旨味を放ち続けます
- 辛さは選べる。「アメリカン」なら辛さ控えめ。家族と行くときも心配いりません
- 自宅でも作れる。台湾ミンチさえできれば、あとは20分ほどで完成します
台湾ラーメンを調べていて、いちばん心に残ったのは「まかないから生まれた」という一点でした。誰かに見せるために作ったのではなく、働く人が自分たちのために作った一杯。だからあれほど遠慮がないのだと、妙に納得してしまったのです。
名古屋を訪れる機会があれば、ぜひ本場の一杯を。汗をかきながら食べたあとの、あの妙な達成感は、その場でしか手に入りません。辛さが心配なら「アメリカン」から始めれば大丈夫です。
そして、自宅の食卓には日常の一杯を。マルメン製麺所の徳島ラーメンのような、毎日でも飽きない味を常備しておくと、休日のお昼がずいぶん気楽になります。刺激的な一杯と、落ち着く一杯。両方あってこそ、ラーメンの世界は面白いのだと思います。
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