「台湾まぜそば」という名前を、コンビニやラーメン店で見かけたことはありませんか。名前に台湾とついていますが、実はこれ、名古屋で生まれた料理です。しかも誕生は2008年。ご当地グルメとしてはかなりの新顔にあたります。
それなのに、今では全国に1000店舗以上が提供しているといわれるほど広がりました。ピリ辛のひき肉、極太の麺、そして真ん中に落とされた卵黄。これを豪快に混ぜて食べる一杯には、多くの人を引きつける理由があります。
この記事では、台湾まぜそばがどう生まれたのか、味の仕組みはどうなっているのか、そして名古屋で味わえるおすすめ5店を紹介します。自宅で作れる簡易レシピもご用意しました。週末の家族ランチや、同僚との話のネタに、ぜひ役立ててください。

混ぜる前のこの状態こそ、台湾まぜそばの象徴的な姿です
この記事のもくじ
台湾まぜそば クイック情報
| 発祥年 | 2008年(平成20年) |
|---|---|
| 発祥店 | 麺屋はなび 高畑本店(名古屋市中川区) |
| タレの特徴 | 醤油ベース。スープはなく、丼底のタレと台湾ミンチの脂で麺を和える |
| 麺の特徴 | 極太の平打ち麺。全粒粉を配合する店が多い |
| 代表的トッピング | 台湾ミンチ、生のニラ・ネギ、魚粉、卵黄、刻み海苔、おろしニンニク |
| 締めの定番 | 追い飯(残ったタレにごはんを混ぜる) |
| 価格帯 | 公開前に要確認 |
| 提供店舗数 | 姉妹店を含め全国1000店舗以上といわれる |
| ご当地度 | ★★★★★ |
台湾まぜそばの歴史・由来
「台湾」とついているのに、台湾料理ではない
まず、最初の疑問から片づけておきましょう。台湾まぜそばは台湾料理ではありません。名古屋で生まれた、れっきとした名古屋めしです。
では、なぜ「台湾」なのか。その答えは、名古屋にもう一つある名物にあります。台湾ラーメンです。こちらは台湾出身の店主が名古屋で考案した激辛ラーメンで、豚ひき肉を唐辛子とニンニクで炒めた「台湾ミンチ」が主役になっています。
台湾まぜそばは、この台湾ミンチを流用したことから名前を受け継ぎました。つまり「名古屋発祥の料理から派生した、名古屋発祥の料理」という、少しややこしい成り立ちをしているのです。
この関係を知ってから食べると、味の見え方が少し変わります。台湾ラーメンについては別記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでいただけると、名古屋の麺文化の面白さがより立体的に見えてくるはずです。

名古屋市中川区高畑。ここが台湾まぜそばの原点です
失敗から生まれた一杯
台湾まぜそばの誕生は2008年。名古屋市中川区に開店した「麺屋はなび」でのことでした。店主の新山直人氏は、台湾ラーメンの名店で長く修業を積んだ人物です。
開店当初、はなびが出していたのは塩ラーメンと醤油ラーメンだけでした。店をもっと繁盛させたい。そう考えた新山氏は、修業時代に覚えた台湾ラーメンを商品化しようと開発を始めます。
ところが、これがうまくいきませんでした。試しに塩ラーメンへ台湾ミンチをのせてみたところ、スープと具材がまったく噛み合わない。失敗作として捨てようとした、そのときです。
アルバイトの一人が「まかないとして、麺だけに台湾ミンチをかけて食べてみたい」と言い出しました。半ば冗談のような提案だったのかもしれません。ところが食べてみると、これが驚くほどおいしかった。
スープに邪魔されず、濃い味のミンチが麺に直接絡む。捨てるはずだった失敗作が、そのまま新しい料理の完成形になっていたのです。こうして台湾まぜそばは誕生しました。
メニュー化されるやいなや、行列が絶えない看板商品へ。もしあのとき「もったいない」の一言がなければ、この味は世に出ていなかったことになります。
17年で全国1000店舗へ
台湾まぜそばの広がり方は、ご当地グルメとしてはかなり異例でした。
はなびは名古屋を拠点に店舗を増やし、韓国やマレーシアなど海外にも進出します。同時に、はなびから独立した「麺屋こころ」をはじめ、台湾まぜそばを看板に掲げる店が全国各地に生まれていきました。
名古屋めしの情報サイトによれば、はなびの姉妹店を含めた提供店は、現在1000店舗以上といわれています。名古屋市内の土産店はもちろん、東海地方のコンビニでも見かけるほど浸透しました。
評価も追いついてきています。麺屋はなびの台湾まぜそばは「新なごやめし総選挙」で準グランプリを受賞。誕生から20年に満たない料理が、ひつまぶしや味噌カツと並ぶ名古屋の顔になりつつあるわけです。
3行でわかる台湾まぜそばの歴史
- 2008年:名古屋市中川区「麺屋はなび」で、台湾ラーメンの開発に失敗した際のまかないから誕生
- 命名の由来:同じく名古屋発祥の台湾ラーメンで使う「台湾ミンチ」を流用したため
- 現在:姉妹店を含め全国1000店舗以上が提供。新なごやめし総選挙で準グランプリを受賞
味の特徴:台湾ミンチとタレ編

スープがない、という設計
台湾まぜそばには、スープがありません。ここが最大の特徴です。
ラーメンの場合、味の主役はスープです。麺はスープを運ぶ役割を担っています。ところが台湾まぜそばでは、その構造がまるごと入れ替わります。丼の底に敷かれた少量のタレと、台湾ミンチから出る脂と旨味だけで、麺全体を味付けするのです。
使える水分が圧倒的に少ない。だからこそ、一つひとつの要素が濃く、強く設計されています。薄めてくれるものがないぶん、味がダイレクトに舌へ届きます。
台湾ミンチという主役
その中心にいるのが台湾ミンチです。豚ひき肉を唐辛子とニンニクで炒め、醤油ベースで味を決めたピリ辛のそぼろ、と考えるとイメージしやすいでしょうか。店によっては、しいたけやネギのみじん切りを加えたり、コチュジャンとごま油で仕上げたりと、独自の工夫が入ります。
食べてみると、まず来るのはニンニクの香りです。次に唐辛子の刺激が舌の上を走り、少し遅れて豚肉の旨味がじわりと追いかけてきます。この時間差が、混ぜるたびに繰り返される。箸が止まらなくなる理由の一つは、ここにあります。
辛いのに、家族で食べられる理由
「ピリ辛」と聞くと、辛いものが苦手な方は身構えるかもしれません。ですが実際に食べてみると、想像していたほどの刺激ではないことに気づきます。
理由は卵黄です。混ぜた瞬間、卵黄が全体をコーティングして、辛さの角をまるく削り落としていきます。刺激は残るのに、痛くはない。この絶妙な位置に着地するよう計算されています。
辛さを控えめに調整している店もありますし、辛さのレベルを選べる店もあります。家族で行っても、それぞれが自分の食べられる範囲に寄せられる。激辛料理のようでいて、実は懐が広いのが台湾まぜそばです。
魚粉が効かせる「もう一段」
もう一つ、見落とせないのが魚粉です。かつお節や煮干しを粉にしたもので、トッピングとして全体に振りかけられます。
これが入ると、味の奥行きが一段深くなります。肉の旨味と魚の旨味は種類が違うため、重ねると足し算以上の効果が出るのです。日本人が好む「だし」の感覚が、ここでしっかり効いています。ニンニクと唐辛子という洋風・中華風の強さと、魚粉という和の要素。この組み合わせこそ、台湾まぜそばが飽きられずに広がった理由なのかもしれません。
味の特徴:麺編

なぜ極太麺なのか
台湾まぜそばの麺は、とにかく太い。しかも平たい。一般的なラーメンの麺と並べると、別の食べ物に見えるほどです。
これには理由があります。スープがない以上、具は麺の表面にしがみつくしかありません。細い麺では表面積が足りず、具が絡まないまま丼の底に沈んでしまうのです。太くて平らな麺なら、タレとミンチをしっかり抱え込めます。
全粒粉を配合する店が多いのも特徴です。小麦の外皮ごと挽いた粉を混ぜることで、麺そのものに香ばしさとざらつきが生まれます。これがまた、具の引っかかりを良くします。
湯切りしない、という発想の転換
ここからが、台湾まぜそばの技術的に一番面白いところです。
発祥店の麺屋はなびでは、茹で上がった麺をあえて湯切りせず、麺棒でかき混ぜて麺の表面に傷をつけるという工程を踏んでいます。傷をつけると麺から粘りが出て、同時に甘みも増す。その粘りが接着剤のように働き、台湾ミンチをがっちり抱き込むというわけです。
ラーメンの世界では、湯切りは「しっかりやるもの」とされてきました。麺に湯が残るとスープが薄まってしまうからです。ところがスープのない台湾まぜそばでは、その常識がひっくり返ります。水気を残すことが正解になる。この発想の転換が、あの独特の一体感を生んでいます。
食感は「噛ませる」設計
極太麺ですから、すすって終わりとはいきません。しっかり噛む必要があります。
噛むほどに小麦の甘みが出てきて、そこへタレの塩気とミンチの辛さが重なる。全粒粉のざらりとした舌ざわりも加わって、口の中がずっと忙しい。食べ終えるころには、しっかり食べたという満足感が残ります。ボリューム感を求める方には、うれしい設計です。
味の特徴:トッピング・具材編

基本の顔ぶれ
台湾まぜそばの定番トッピングは、意外なほどシンプルです。台湾ミンチ、刻んだニラとネギ、魚粉、卵黄、刻み海苔。多くの店で、好みでおろしニンニクを追加できます。
店によっては角切りチャーシューを加えたり、海苔の量を増やしたりと個性を出しますが、骨格はどこもほぼ同じです。誕生から17年、この構成がほとんど変わっていないというのは、最初から完成度が高かったことの証拠でしょう。
ニラとネギは、なぜ生のまま?
注目していただきたいのが、ニラとネギが生のまま使われている点です。炒めても茹でてもいません。刻んだそのままがのっています。
理由は、香りと食感です。加熱するとニラの香りは甘くまるくなりますが、生のままだと鋭さが残ります。この鋭さが、濃厚なミンチとタレに対して切り込みを入れてくれる。シャキッとした歯ざわりも、もちもちの太麺と対比になって、単調さを防いでいます。
卵黄は、味の「調律」役
そして卵黄です。混ぜる前の丼を見ると、黒っぽいミンチと緑のニラの真ん中に、鮮やかな黄色が一点。これが台湾まぜそばの象徴的な絵になっています。
役割は見た目だけではありません。崩して混ぜると、卵黄が全体を包み込み、辛さを和らげ、コクを足し、味をまとめ上げます。卵黄を崩した瞬間に、はじめて料理が完成する。言い換えれば、台湾まぜそばは店から出てきた時点では未完成なのです。仕上げるのは、食べる人自身の手にゆだねられています。
締めの「追い飯」まで含めて一杯
麺を食べ終えたあと、丼の底にはタレと具が必ず残ります。これを残して席を立つのは、台湾まぜそばの世界ではもったいない行為とされています。
そこで登場するのが追い飯です。残ったタレに少量のごはんを加えて混ぜ、最後の一滴まで食べ切る。多くの店では無料で提供されています。
麺でお腹いっぱいのはずなのに、これが不思議と入ってしまう。濃いタレとごはんは、日本人にとって抗いがたい組み合わせです。台湾まぜそばは、一杯で二度楽しめる料理でもあるわけです。
名古屋で味わう台湾まぜそば 名店5選
ここからは、名古屋で台湾まぜそばを楽しめる5店を紹介します。発祥店はもちろん、家族連れで行きやすい店、飲み会帰りに寄れる店まで、シーン別に選びました。
※ 営業時間・定休日・価格は変更されることがあります。お出かけ前に各店の公式サイトや食べログで最新情報をご確認ください。
1. 麺屋はなび 高畑本店 ─ すべてはここから始まった
| 住所 | 愛知県名古屋市中川区高畑1-170 |
|---|---|
| 営業時間 | 昼 11:30〜14:00 / 夜 18:00〜21:00(土日は11:00オープン) |
| 定休日 | 毎週月曜日・第1・第3火曜日 |
| アクセス | 地下鉄東山線「高畑」駅から徒歩約5分 |
| 駐車場 | あり |
| 価格帯 | 元祖 台湾まぜそば1,000円 |

麺屋はなび 高畑本店の台湾まぜそば
台湾まぜそばを世に送り出した、まさに原点の一軒です。カウンターだけのこぢんまりとした店ですが、訪れてみると行列が途切れない光景に出会うことが多いようです。
全粒粉入りの極太麺に、特製の台湾ミンチ、ニラ、ネギ、魚粉、刻み海苔、そして中央に卵黄。混ぜ始めると、ニンニクと魚粉の香りがふわりと立ち上ります。口コミでは、辛さ・旨味・香ばしさが一体になった中毒性の高さに触れる声が目立ちます。
面白いのが、卓上の自家製昆布酢です。途中でひと回しすると酸味と甘みが加わり、味ががらりと変わる。ただし入れすぎ注意とのことなので、少しずつ試すのが良さそうです。締めはもちろん追い飯で。
高畑駅から徒歩5分、駐車場もあります。休日に少し足を延ばして、家族で「発祥の店」を訪ねてみる。そんな一日の目的地としても、悪くない選択だと思います。
2. フジヤマ55 大須総本店 ─ 大須散策と組み合わせる
| 住所 | 愛知県名古屋市中区大須3-11-16 |
|---|---|
| 営業時間 | 昼 11:30〜16:00 / 夜 17:00〜22:00(土日は11:30〜22:00) |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 地下鉄「上前津」駅から徒歩約3分 |
| 駐車場 | なし(近隣にコインパーキングあり) |
| 価格帯 | まぜそば1,380円 |

フジヤマ55 大須総本店の台湾まぜそば
つけ麺の名店として名を知られたブランドですが、台湾まぜそばの隠れた実力店でもあります。大須商店街のど真ん中という立地で、11:00から22:30まで無休。この使い勝手の良さは、家族での外出時にありがたいところです。
こだわりの自家製極太麺は、噛むともちもちとした弾力とともに小麦の香りが立つと評判です。卓上にはお酢、にんにく、魚粉といった味変アイテムが並び、自分好みの一杯へ寄せていけます。〆の追い飯は無料。
大須観音や万松寺を歩いたあと、その足で立ち寄れる距離感。子供たちを商店街で遊ばせてからのランチ、という組み立てができるのは、この店ならではの強みです。週末は行列必至とのことなので、時間には少し余裕を持って向かうのが良さそうです。
3. まぜそば てっぺん 本店 ─ 初心者と家族連れの入り口
| 住所 | 愛知県名古屋市北区金城町4-41-6 グリーンタウン3-1F |
|---|---|
| 営業時間 | 昼 11:00〜14:45(L.O.13:30)/ 夜 18:00〜23:15 土日祝 11:00〜23:15(通し営業) |
| 定休日 | 年中無休 |
| 駐車場 | なし |
| 価格帯 | 台湾まぜそば1,200円 |

名古屋市内に複数店を展開する実力店で、麺屋はなびと並んで名古屋の台湾まぜそば文化を支えてきた存在です。
特徴は、辛さと旨味のバランス。台湾ミンチは辛すぎず、じんわりとした刺激が後を引くタイプに仕上げられています。干しエビや干し貝柱の旨味を凝縮した自家製ダレがモチモチの極太麺に絡み、角切りチャーシュー、卵黄、ニラ、ネギ、魚粉が層になって重なります。
辛いものが得意でない方でも食べやすい仕上がりで、まぜそば初心者にすすめやすい一軒です。物足りなければ、卓上の特製ラー油を足せば香ばしさとコクが立ち上がります。家族それぞれが自分の辛さに調整できるという意味で、はじめての台湾まぜそば体験にはうってつけかもしれません。土日祝は通し営業なので、時間を気にせず行けるのも助かります。
4. らーめん・まぜそば あらし 錦店 ─ 飲み会の締めに
| 住所 | 愛知県名古屋市錦3-3-30 桜ビル 1F |
|---|---|
| 営業時間 | 17:00~5:00 |
| 定休日 | 日曜日 |
| アクセス | 地下鉄「栄」駅から徒歩約5分 |
| 駐車場 | なし |
| 価格帯 | 台湾まぜそば1,100円 |

名古屋・栄の中心地、錦三丁目にある一軒です。店に近づくと、にんにくと魚粉の香りが漂ってくる。空腹時には、なかなか抗いがたい仕掛けです。
特製の辛ミンチと粘り気のあるタレが太麺にしっかり絡み、一口目から旨味が押し寄せてきます。卵黄が全体をまろやかにまとめ、辛さの中に奥深いコクを残す。夜の街にふさわしい、力強い一杯です。
なんといっても翌3時まで営業しているのが大きい。飲み会のあと、名古屋名物で締める。そんな使い方をする人が多いのも納得です。カウンター中心の店内は一人でも立ち寄りやすく、追い飯サービス(少量・無料)まで用意されています。出張で名古屋を訪れた夜、同僚とここで締める。翌朝の話のネタとしても、なかなか強いカードになりそうです。
5. 一刻屋 鶴舞店 ─ 味変を遊びつくす
| 住所 | 愛知県名古屋市中区千代田5-24-1 |
|---|---|
| 営業時間 | 昼 11:00〜15:00(L.O.14:30)/ 夜 17:00 – 22:00(L.O.21:30) |
| 定休日 | 年中無休 |
| アクセス | JR「鶴舞」駅から徒歩約3分 |
| 駐車場 | あり(共同パーキング) |
| 価格帯 | 台湾まぜそば1,080円 |

JR鶴舞駅から徒歩3分。こってり系ラーメンで長年愛されてきた店ですが、台湾まぜそばもファンの多い隠れた名物です。
特製の辛味ダレと旨辛ミンチが極太麺に絡み、ガツンとくる濃厚さとスパイシーさが押し寄せます。卵黄と魚粉がまろやかさを添えて、全体をまとめ上げる構成。麺はもっちり太めで、気持ちよくすすれると評判です。
この店の面白さは、味変アイテムの充実ぶりにあります。お酢マヨネーズ、カレーパウダー、すり胡麻、山椒。ここまで揃っていると、一杯の中で何度も表情を変えられます。ひと口ごとに違う味が現れて、最後まで飽きが来ない。
11:00から23:00まで無休で、駐車場も確保されています。仕事帰りにふらりと寄る使い方も、休日のラーメン巡りの一軒に組み込む使い方もできる。「今日はどの味変から行こうか」と考えながら向かうのも、この店の楽しみ方の一つだと思います。
名古屋の人にとっての台湾まぜそば
名古屋に暮らす人たちは、台湾まぜそばをどう受け止めているのでしょうか。地元での位置づけを、いくつかの声から探ってみます。
最初に食べたときは正直「混ぜるだけ?」と思ったんです。でも卵黄を崩した瞬間に納得しました。あれは混ぜて完成する料理なんですね。今では月に2回は食べています。追い飯までがワンセットです。
(41歳・会社員)
うちは子供が小学生ですが、辛さ控えめのお店なら一緒に行けます。混ぜる作業が楽しいみたいで、子供が自分でやりたがるんですよ。外食で子供が前のめりになる料理って、意外と少ないので助かっています。
(38歳・パート)
出張で来た取引先の方を連れて行くと、まず「台湾って名前なのに名古屋なんですか」と驚かれます。そこから会話が広がるので、こちらとしてはありがたい存在ですね。名古屋めしの中でも、話のネタとしての強さは一番かもしれません。
(45歳・営業職)
※ 上記は、公開されている口コミや地域メディアで語られている傾向をもとに構成した、典型的な受け止め方の例です。
気になるカロリーと栄養成分
おいしいのはわかった。でも、そこそこの年齢になってくると、カロリーも気になるところです。台湾まぜそばの数字を、正直に見ておきましょう。
| 項目 | 1杯あたりの目安 |
|---|---|
| エネルギー | 約700〜800kcal |
| たんぱく質 | 約25〜30g |
| 脂質 | 約25〜35g |
| 炭水化物 | 約80〜90g |
| 食塩相当量 | 約7g前後 |
| 追い飯を加えた場合 | +約200〜250kcal |
※ 一般的な材料構成から算出した推定値です。店舗・麺量・ひき肉の量によって大きく変動します。実際の数値は各店にご確認ください。
一般的なラーメンと比べて、極端に高いというわけではありません。ただし塩分と脂質はしっかりあるのが実際のところです。ひき肉を多く使い、タレの味が濃い設計ですから、当然といえば当然でしょう。
とはいえ、悪い面ばかりでもありません。豚肉のたんぱく質とビタミンB1、ニラとニンニクに含まれるアリシン(ビタミンB1の吸収を助ける成分)、そして魚粉のカルシウム。組み合わせとしては、意外と理にかなっています。
気になる方は、追い飯を控える、もやしなど野菜のトッピングを足す、といった調整で無理なく寄せられます。週に何度もではなく、月に何度かの楽しみとして。そのくらいの距離感が、長く付き合うにはちょうど良いのかもしれません。
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名古屋まで行くのは、なかなか大変です。ですが台湾まぜそばは、スープを取る必要がないという決定的な利点があります。実はご当地ラーメンの中でも、家庭再現のハードルはかなり低い部類なのです。
週末のお昼に、家族で作ってみるのはいかがでしょうか。混ぜる工程が楽しいので、お子さんも参加できます。
材料(2人分)
麺と仕上げ
- 中華麺(極太・全粒粉入りが理想)… 2玉
- ニラ … 1/2束
- 長ネギ … 1/2本
- 卵黄 … 2個分
- かつお節の粉、または魚粉 … 大さじ2
- 刻み海苔 … 適量
- 追い飯用のごはん … 茶碗1/2杯分
台湾ミンチ
- 豚ひき肉 … 200g
- おろしニンニク … 小さじ2
- おろしショウガ … 小さじ1
- 豆板醤 … 小さじ2
- 醤油 … 大さじ2
- オイスターソース … 大さじ1
- 鶏がらスープの素 … 小さじ1
- 砂糖 … 小さじ1
- ごま油 … 大さじ1
- 一味唐辛子 … 小さじ1/2

台湾ミンチさえ作ってしまえば、あとは混ぜるだけです
作り方
- 台湾ミンチを炒める
フライパンにごま油を熱し、おろしニンニク、おろしショウガ、豆板醤を弱火で炒めます。香りが立ったら豚ひき肉を加え、色が変わるまで中火で炒めます。 - 味を決める
醤油、オイスターソース、鶏がらスープの素、砂糖、一味唐辛子を加え、汁気がほとんどなくなるまで炒め煮にします。ここまでで台湾ミンチの完成です。 - 薬味を刻む
ニラは5mm幅、長ネギは小口切りに。どちらも生のまま使うので、水にはさらしません。 - 丼にタレを用意する
丼に醤油大さじ1、ごま油小さじ1、鶏がらスープの素少々(いずれも分量外)を合わせておきます。 - 麺を茹でる
表示時間どおりに茹でたら、湯切りは軽めにとどめます。麺に少し湯を残したまま丼に移し、手早く混ぜてタレをまとわせます。 - 盛り付ける
台湾ミンチ、ニラ、長ネギ、かつお節の粉、刻み海苔をのせ、中央にくぼみを作って卵黄を落とします。 - 混ぜて、追い飯で締める
丼の底からしっかり30回ほど混ぜてからいただきます。麺を食べ終えたら、残ったタレにごはんを加えて追い飯を。
再現度を上げる3つのコツ
- 湯切りは軽めに:スープがないので、麺が乾いていると具が絡みません。水気を少し残すのが正解です
- ニラとネギは生のまま:加熱すると香りの鋭さが失われます。あの香りは、生だからこそのものです
- 台湾ミンチは作り置きを:多めに作って冷蔵で3〜4日、冷凍なら3週間ほど保存できます。ごはんにのせても、豆腐にのせても使えます
台湾ミンチさえ仕込んでおけば、平日でも15分ほどで一杯が仕上がります。忙しい日の夕食にも、十分に選択肢に入るのではないでしょうか。
「卵黄を崩して仕上げる」もう一つのご当地ラーメン
ここまで書いてきて、あらためて思うことがあります。台湾まぜそばの本質は、食べる人が自分の手で味を完成させるところにあるのではないか、と。
卵黄を崩す。混ぜる。ニンニクを足す。酢をひと回しする。最後に追い飯で締める。運ばれてきた丼は、まだ完成品ではありません。仕上げるのは、いつも食べる人自身です。
そして実は、同じ文化を持つご当地ラーメンが、四国にもあります。徳島ラーメンです。
徳島ラーメンには、生卵を落として食べるという独特のスタイルがあります。濃い口醤油ベースの甘辛いスープに、卵黄を崩して絡める。すると味の角がまるくなり、まったく別の表情が立ち上がってきます。台湾まぜそばで卵黄を崩したときの、あの感覚とよく似ています。
名古屋と徳島。距離は離れていても、「卵黄で自分の一杯を仕上げる」という発想は、しっかり通じ合っているのだと思います。
マルメン製麺所の徳島ラーメン 25食パック
本場の味を、ご自宅で
徳島ラーメンの製麺所「マルメン製麺所」では、創業以来守り続けてきた伝統の味をご自宅でお楽しみいただけます。生卵をひとつ落とすだけで、あの甘辛いスープがぐっとまろやかに変わります。
25食パックなら、職場の同僚5〜6人でシェアして、1人あたり約5食ずつ持ち帰れる計算です。「今度これ、みんなで分けない?」と昼休みに提案してみるのも良いかもしれません。もちろん、週末の家族団らんにもぴったりです。
台湾まぜそばが非日常の刺激なら、徳島ラーメンは何度でも戻ってこられる日常の一杯。冷凍庫にストックしておけば、忙しい平日でも10分ほどで本格的な味が用意できます。
25食パックの詳細を見る →あわせて読みたい 東海のご当地ラーメン
よくある質問
まとめ
- 台湾まぜそばは名古屋発祥。2008年、麺屋はなびで台湾ラーメンの開発に失敗した際のまかないから誕生しました
- スープがないという設計が、極太麺・湯切りをしない技法・濃い台湾ミンチという独自の構造を生みました
- 卵黄を崩した瞬間に完成する料理。仕上げるのは食べる人自身で、追い飯までがワンセットです
- 誕生から17年で全国1000店舗以上。ご当地グルメとしては異例のスピードで広がりました
名古屋を訪れる機会があれば、ぜひ本場の一杯を。発祥店の麺屋はなびまで足を延ばすもよし、大須や栄で観光の合間に立ち寄るもよし。同僚や家族と「台湾って名前なのに名古屋なんだよ」という話をしながら向かえば、それだけで小さな旅になります。
そして、自宅で楽しむという選択肢もあります。台湾ミンチを仕込んで、週末に家族で混ぜる。あるいは、同じく卵黄で仕上げる徳島ラーメンを取り寄せてみる。ご当地ラーメンの面白さは、現地に行かなくても、暮らしの中に持ち込めるところにあると思っています。
この記事が、次の週末の楽しみを一つ増やすきっかけになれば幸いです。
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