「小田原系ラーメン」をご存知ですか? 横浜家系や二郎系ほど全国的な知名度はないものの、神奈川県西部ではおよそ1世紀にわたって地元の人々に深く愛されてきたご当地ラーメンです。
澄んだ豚骨醤油スープに、もちもちの平打ち縮れ麺。そしてトッピングの目玉は、ぽってりと大きなワンタンと、厚みのあるチャーシューです。「ガッツリ食べたい、でもくどくない」という絶妙なバランスが、世代を問わずリピーターを生み続けています。
この記事では、小田原系ラーメンの歴史と味の特徴、地元で愛される名店情報から自宅での再現レシピまでを徹底解説します。週末に家族みんなで挑戦してみたくなる内容をぎゅっと詰め込みましたので、ぜひ最後までお読みください。

神奈川県西部の食文化が生んだ「小田原系ラーメン」。澄んだスープに平打ち縮れ麺が絡む一杯
この記事のもくじ
📋 小田原系ラーメン クイック情報
| 発祥 | 1930年頃、神奈川県湯河原町(「味の大西」を源流) |
|---|---|
| スープの特徴 | 甘めで澄んだ豚骨醤油ベース、表面に油膜 |
| 麺の特徴 | 高加水率の平打ち縮れ麺、もちもち食感 |
| 代表的トッピング | 大ぶりワンタン、厚切りチャーシュー、甘いメンマ、三つ葉 |
| 価格帯 | 900〜1,200円(ワンタンメン・チャーシューメン) |
| エリア | 神奈川県西部(小田原市・湯河原町・真鶴町・松田町など) |
| ご当地度 | ★★★★★ |
小田原系ラーメンの歴史・由来
肉屋から生まれた一杯 ── 1930年代の湯河原
小田原系ラーメンの歴史は、今から約90年前にさかのぼります。1930年頃、神奈川県の湯河原町で精肉店を営んでいた「味の大西」が、豚肉や豚ガラを活かしたラーメンを提供し始めたのが起源とされています。
肉屋ならではの豚骨・豚肉のうまみを最大限に引き出したスープは、当初から地元の人々の心をつかみました。透明感のある澄んだ豚骨醤油スープは、白濁した九州豚骨とは一線を画す、神奈川西部独自のスタイルです。
やがて「味の大西」で修行した人々が、湯河原の周辺地域——真鶴町、小田原市、平塚市、松田町——へと独立して店を出していきました。こうして師匠から弟子へ、親族から縁者へと受け継がれたラーメン文化が、気がつけば神奈川県西部全域に広がっていったのです。
「小田原系」と呼ばれるようになったのは2000年代から
実は「小田原系ラーメン」という呼び名が定着したのは比較的最近で、2000年代に横浜ウォーカーなどのラーメン特集誌がこの一群を「小田原系」と紹介してから広く認知されるようになりました。地元では長年「大西のラーメン」や「このあたりのラーメン」として親しまれてきた、生粋のソウルフードです。
系譜は大きく3つに分類されます。「味の大西」の屋号を受け継ぐ直系店、のれん分けを受けた関連店(国味・三憩園など)、そして大西のスタイルにインスピレーションを受けたインスパイア系(むら田系譜のいしとみ・しら鳥など)です。それぞれが地域に根ざし、独自の進化を遂げながら今も営業を続けています。

昭和初期の面影を今に残す、小田原系ラーメンの源流。湯河原町に今も息づく老舗の味
味の特徴① スープ編 ── 澄んでいるのに深い
甘くてさっぱり、それでいてコクがある
小田原系ラーメンのスープを一口すすると、まず感じるのは「あ、醤油だ」という明確なインパクトです。ところが不思議なことに、しょっぱさよりも甘みとコクが先に広がります。豚骨から丁寧に引き出された出汁に、濃口醤油が重なり、全体をまとめるのは香ばしい油の風味——これが小田原系スープの正体です。
スープの外見は、九州豚骨のような白濁ではなく、澄んだ醤油色です。肉屋を起源とする「味の大西」が、豚ガラと豚肉のうまみを丁寧にアクを取り除きながら引き出してきた結果、この透明感が生まれました。一見シンプルに見えても、口の中でじっくりと旨味が広がる、奥行きのある一杯です。
どんぶりを覆う油膜が保温の鍵
小田原系ラーメンの大きな個性のひとつが、スープの表面を覆う油膜です。豚のうまみが溶け込んだ油がどんぶり表面に広がり、スープの温度を最後まで保ちます。冷めにくく、麺を食べ終わるまで熱々を楽しめるのは、この油膜のおかげです。
田中さんのような忙しいビジネスパーソンが昼休みにラーメン店へ駆け込んでも、食べている最中にスープが冷めてしまう——そんなプチストレスを、この油膜が解決してくれます。仕事の合間にも、最後の一口まで熱々の満足感が続きます。
味の特徴② 麺編 ── ピロピロ食感のもちもち平打ち麺
小田原系ラーメンの麺は、高加水率の平打ち縮れ麺が主流です。麺に含まれる水分量が多いため、表面がしなやかで、口に入れた瞬間に「ピロピロ」とした独特の舌触りが広がります。
湯河原町の「室伏製麺所」が製造する麺は、小田原系の代名詞として知られています。平打ちの形状は表面積が広く、濃口醤油のスープをたっぷりと絡め取ります。コシは強すぎず、スープの旨味と麺の甘みが一緒になって、一口ごとに満足感を積み上げていきます。
麺の量もたっぷりで、普通サイズでも他のラーメン店の大盛りに相当するほど。「神奈川西の二郎系」とも称されるほどのボリュームが、働き盛りの世代をしっかりと満腹にしてくれます。家族と一緒に訪れても、子供から大人まで食べ応えを感じられる一杯です。

小田原系の個性、平打ち縮れ麺。高加水率ならではのもちもち食感がスープを豊かに引き立てる
味の特徴③ トッピング編 ── 大ぶりワンタンと厚切りチャーシュー
細長いワンタンは「必食」
小田原系ラーメンを語る上で、ワンタンは欠かせません。一般的な餃子風の丸いワンタンとは違い、細長い棒状に巻いた独特のスタイルが特徴です。皮はしなやかで、口の中でとろけるような食感があります。中にはひき肉の餡がしっかり詰まり、軽くしょうがが効いているため、スープと食べると清涼感が加わります。
「小田原系はチャーシューとワンタンを食べないと未食」とも言われるほど、ワンタンはこのラーメンの核心です。初めて訪れる方は、ぜひチャーシューワンタンメンで全部のせを体験してみてください。

細長く独特な形のワンタンと、肉の旨味がぎゅっと詰まった厚切りチャーシュー。これが小田原系の「必食」コンビ
厚切りチャーシューと甘いメンマ、三つ葉の清涼感
チャーシューは、脂身部分を削ぎ落とした豚バラを使い、醤油スープが染み込んだ肉の旨味がぎゅっと詰まっています。薄切りではなく、厚さがしっかりあるので食べ応え満点です。
メンマは甘く味付けされており、他の地域のラーメンより甘みが際立っています。そして仕上げに散らされた三つ葉が、食後の後味をさわやかに整えてくれます。こってり感が残らない爽やかな余韻が、「もう一杯飲みたい」と思わせる秘密です。
小田原系ラーメン 代表的な名店4選
① 味の大西 本店(湯河原町)── 源流の味を守り続ける
小田原系ラーメンの原点がここにあります。1930年頃に創業し、現在も湯河原駅近くで営業を続ける「味の大西 本店」。親族のみが「味の大西」を名乗れる直系の証です。代が変わっても受け継がれる、甘めでさっぱりとした豚骨醤油スープは、訪れる人を懐かしさと新鮮さが交差するような感覚に包み込みます。

源流の味を伝え続ける「味の大西 本店」(湯河原町)
🕐 営業時間:11:00〜15:00頃(売り切れ次第終了)
🗓 定休日:月曜
💴 価格帯:ラーメン850円〜、チャーシューワンタンメン1,350円
子供の頃から親に連れてきてもらった味です。東京に転勤してからも、休みのたびに湯河原まで食べに来ます。このスープだけは他では代えられません。
(42歳・ITエンジニア)
② 味の大西 小田原店 ── 駅近で観光にも最適
小田原駅から徒歩圏内でアクセスできる直系店として、地元民と観光客の両方に愛されています。カウンター席とテーブル席が整然と並び、1人でも家族連れでも入りやすい雰囲気です。厨房の様子を眺めながら待てるオープンキッチンが、ラーメンへの期待感をさらに高めてくれます。

小田原駅近くでアクセス抜群の「味の大西 小田原店」
🕐 営業時間:11:30〜20:00
📞 電話:0465-23-4034
🗓 定休日:不定休
💴 価格帯:ラーメン1,300円〜、チャーシューワンタンメン1,650円前後
③ いしとみ(鴨宮)── むら田系譜の代表格
「味の大西」とは系譜が異なる「むら田系」の流れを汲む、小田原系インスパイアの代表格です。閉店した「支那そば むら田」の後継者として、今や小田原系ファンが最も足を運ぶ名店のひとつとなっています。キンキンに効いた醤油のシャープな旨味と豚骨のアフター感が絶妙で、一口すするごとに「また来よう」と思わせる味わいです。
店舗はリニューアルして明るく清潔感があり、カウンター15席ほどとテーブル1卓。専用駐車場が計7台分あり、家族連れでも気軽に立ち寄れます。

行列も珍しくない人気店「いしとみ」。むら田系譜の旨辛醤油が後を引く
🚃 アクセス:JR鴨宮駅南口から徒歩13分
🅿 駐車場:あり(計7台)
🕐 営業時間:11:30〜15:50 17:00〜20:30
🗓 定休日:水曜日
💴 価格帯:ラーメン900円〜、ワンタンメン1,100円
部署の仲間と小田原に来るたびに「いしとみで決まり」になっています。ボリュームがすごいので、みんな大満足で帰れます。1,000円以内でこれだけ食べられるのはコスパ最高。
(38歳・営業職)
④ しら鳥(小田原市富水)── 40年以上愛され続ける地元の一軒
小田原市富水エリアで40年以上営業を続ける老舗で、いしとみとも縁がある関連店です。地元のラーメン愛好者からは「小田原系入門にぴったり」と評されており、スープの油の濃さが控えめですっきりとした味わいが特徴です。開店前から行列ができることも多く、訪問するなら早めの時間帯がおすすめです。

40年以上の歴史を持つ「しら鳥」。油控えめですっきりした口当たりが初訪問にも食べやすい
🚃 アクセス:小田急富水駅近辺
🕐 営業時間:11:30〜13:30
🗓 定休日:月曜日
💴 価格帯:ラーメン800円〜
地元の人たちの声
子供のころから週末は家族みんなで大西に行くのが定番でした。今は自分も子供を連れて行っています。息子が「お父さんのラーメン屋、また行きたい」って言うのが嬉しくて。
(40歳・会社員・小田原市在住)
職場の新人に「小田原系って何ですか?」と聞かれて連れていきました。「家系よりも食べやすい」「ワンタンが絶品」って大喜びで、次の週にはもう自分で行ってました(笑)。部署の話題になるラーメンですよ。
(45歳・製造業・神奈川県西部在住)
東京から引っ越してきて最初は「小田原系?」って知らなかったんですが、食べてみたら完全にハマりました。あっさり醤油とも違う、こってり豚骨とも違う。この中間がたまらないんです。
(33歳・Webデザイナー・小田原市在住)
カロリー・栄養成分の目安

健康が気になる方のために、小田原系ラーメン(ラーメン1杯・標準的な一杯)の栄養成分の目安をご紹介します。数値はあくまでも参考値で、店舗やトッピングによって異なります。
| 項目 | 目安(ラーメン1杯) | チャーシューワンタンメン |
|---|---|---|
| カロリー | 約600〜700 kcal | 約800〜950 kcal |
| タンパク質 | 約22〜28 g | 約35〜45 g |
| 脂質 | 約20〜28 g | 約28〜38 g |
| 炭水化物 | 約70〜80 g | 約75〜85 g |
| 食塩相当量 | 約5〜7 g | 約5〜7 g |
麺量が多い分カロリーはやや高めですが、豚骨・魚介を使わない澄んだスープゆえに脂質の過剰摂取はほかのこってり系と比べて抑えられています。タンパク質はチャーシューとワンタンのおかげで豊富に摂れます。昼食として食べた場合、仕事の午後のスタミナ源としても申し分ありません。
週末に家族と作ろう!小田原系ラーメン 簡易再現レシピ

本場の店舗を訪れるのが難しい方、あるいは「家族に作ってあげたい」という方のために、スーパーで揃う食材で小田原系の雰囲気を楽しめる簡易レシピをご紹介します。子供たちと一緒に作れば、食卓がにぎやかになること間違いなしです。
🍜 小田原系ラーメン 簡易再現レシピ(2人分)
材料
- 中華麺(平打ち縮れ麺タイプ)2玉
- 豚骨スープの素(市販)大さじ2〜3
- 濃口醤油 大さじ3
- みりん 大さじ1
- 砂糖 小さじ1(甘みのポイント)
- 水 600〜700ml
- 豚バラ肉(チャーシュー用)150g
- ワンタンの皮 10枚
- 豚ひき肉(ワンタン餡用)80g
- しょうが(すりおろし)少々
- メンマ(市販)適量
- 三つ葉 少々
- ラード(またはサラダ油)小さじ2
作り方
- チャーシューを作る:豚バラ肉を醤油・みりん・砂糖・水で30〜40分弱火で煮込みます。煮汁は捨てずに取っておく。
- ワンタンを包む:豚ひき肉にしょうが・塩・ごま油を混ぜてよく練り、ワンタンの皮の中央に置いて細長い棒状に包む(両端をつまんでくるくるとねじるイメージで)。
- スープを作る:水600mlを鍋で温め、豚骨スープの素を溶かします。濃口醤油・みりん・砂糖を加えて味を整えます。チャーシューの煮汁を大さじ2ほど加えると深みが増します。
- ワンタンを茹でる:スープを沸かし、ワンタンを3〜4分茹でて器に取り出しておきます。
- 麺を茹でる:別の鍋で湯を沸かし、麺を袋の指示通りに茹でます。平打ち縮れ麺はやや長めに茹でるともちもち感が増します。
- 盛り付ける:器にスープを注ぎ、麺・ワンタン・チャーシュー(輪切り)・メンマ・三つ葉を盛り付けます。最後にラードを小さじ1垂らして油膜を作れば完成です。
※ 本格的な澄んだ豚骨スープには、下茹でした豚骨を長時間弱火で煮込む工程が必要です。時間があるときは挑戦してみてください。市販の豚骨スープの素でも十分に小田原系の雰囲気が楽しめます。
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よくある質問
まとめ
小田原系ラーメンは、1930年頃に湯河原町の「味の大西」から始まり、神奈川県西部の食文化として約90年にわたり愛されてきたご当地ラーメンです。
このラーメンの魅力を3つにまとめると、次のようになります。
- 澄んだ豚骨醤油スープ:甘みとコクが共存する、飲み干せる絶妙な味わい
- もちもち平打ち縮れ麺:高加水率ならではのピロピロ食感がスープを豊かに絡め取る
- 大ぶりワンタン+厚切りチャーシュー:食べ応え抜群のトッピングが、家族みんなを大満足にさせる
小田原は東京から新幹線で35分。箱根や熱海への旅行ついでに、ぜひ「小田原系ラーメン」を目的のひとつに加えてみてください。一杯食べれば、なぜ地元の人が何十年も通い続けるのか、きっと実感できるはずです。
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