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茨城県は「ラーメン発祥の地」だった?
茨城県は日本で最初にラーメンが食べられた土地という説があることをご存知でしょうか。水戸黄門こと徳川光圀が1665年に中国の儒学者からラーメンを献上されたという記録が残っており、まさに日本ラーメン史の原点ともいえる場所なのです。
この歴史ある茨城県で、令和の今も県民に深く愛されているのがスタミナラーメン。レバーとたっぷり野菜を甘辛い餡で絡めた独特の一杯は、埼玉からも車で約1時間とアクセス良好。週末の家族ドライブや、同僚との日帰りグルメツアーにぴったりです。
茨城県ラーメンの概要:4つの個性派が競演する豊かなラーメン文化
茨城県には約1,050店以上のラーメン店があり、地域ごとに特色あるラーメン文化が発展しています。その中でも特に注目すべきは、以下の4つのご当地ラーメンです。
茨城4大ご当地ラーメン一覧
| ラーメン名 | 発祥地 | 誕生年 | 最大の特徴 | 提供店舗数 |
|---|---|---|---|---|
| スタミナラーメン | ひたちなか市 | 1970年頃 | レバー・野菜の甘辛餡 | 40〜50店舗 |
| 下館ラーメン | 筑西市 | 1957年 | 鶏チャーシュー | 30店舗弱 |
| 水戸藩らーめん | 水戸市 | 1993年(現代版) | レンコン麺・五辛薬味 | 4店舗程度 |
| 豆腐みそラーメン | 常陸大宮市 | 不明 | 豆腐とネギの優しい味噌味 | 数店舗 |
茨城県のラーメン文化の特徴は、地元食材との強い結びつきにあります。レンコン生産量全国1位(シェア約53%)の茨城県では、水戸藩らーめんの麺にレンコン粉が練り込まれています。また、スタミナラーメンには地場産のキャベツ、カボチャ、ニラがふんだんに使われ、下館ラーメンでは県内ブランド鶏も使用されるなど、まさに「茨城の恵み」を凝縮した一杯が楽しめるのです。
各ご当地ラーメンの紹介
1. スタミナラーメン —— 茨城県民のソウルフード

基本情報
- 発祥地: 茨城県ひたちなか市(旧勝田市)
- 誕生年: 1970年頃(昭和40年代後半)
- 考案者: 長井順一氏(「寅さんラーメン」店長、後に「松五郎」創業)
- 価格帯: 760円〜970円
どんなラーメン?
「学生に安くて栄養のあるものをお腹いっぱい食べてもらいたい」——この想いから生まれたスタミナラーメンは、まさに働く人のためのパワーフード。勝田駅前のラーメン屋で誕生し、当時は学生服で店内が黒一色になるほど繁盛したといいます。
【3つの特徴】
- 甘辛い醤油餡: とろみのついた餡がモチモチ太麺に絡む
- 野菜たっぷり: キャベツ、カボチャ、ニンジン、ニラを油通し
- レバーでスタミナ補給: 鉄分豊富で疲労回復に効果的
【2つの食べ方】
| スタイル | 内容 | おすすめシーズン |
|---|---|---|
| 冷やし | 冷水で締めた麺+熱々の餡(地元人気No.1) | 夏〜秋 |
| ホット | 温かいスープ+餡 | 秋〜冬 |
代表的な店舗
◆ スタミナラーメン松五郎(総本家)
- 住所:水戸市袴塚1-4-14
- 営業時間:11:00〜14:30、17:30〜20:00
- 定休日:月曜日、第3火曜日
- 特徴:考案者・長井順一氏が開いた「総本家」。0.5玉ずつ大盛り可能で、4玉以上完食すると壁に名前が掲載される
◆ スタミナラーメン多幸(通販あり)
- 住所:那珂市中台700-3(本店)
- 営業時間:11:00〜14:30、17:30〜20:30
- 通販サイト: https://takou-tsuuhan.com/
- 特徴:冷凍通販で自宅でも本格の味が楽しめる
◆ がむしゃ(つくば市)
- 住所:つくば市筑穂
- 価格:スタミナラーメン780円
- 特徴:埼玉からもアクセスしやすいつくば市で本格スタミナラーメンが楽しめる
2. 下館ラーメン —— 鶏チャーシューの老舗醤油ラーメン

基本情報
- 発祥地: 茨城県筑西市(旧下館市)JR下館駅周辺
- 誕生年: 1957年(昭和32年)「盛昭軒」創業
- 価格帯: 600円〜950円(驚きの良心価格!)
どんなラーメン?
かつて「商都下館」「関東の大阪」と呼ばれるほど商業が盛んだった下館市で、出前文化から発展したラーメン。麺が伸びにくいよう工夫された少加水の縮れ麺と、戦後の豚肉高騰から生まれた鶏チャーシューが最大の特徴です。
【下館ラーメンの構成要素】
- スープ: 濃口醤油ベースの琥珀色、鶏ガラと地場野菜から取った澄んだ出汁
- 麺: 自家製の少加水・中細縮れ麺(コシがありスープをよく絡める)
- 具材: 鶏チャーシュー(最大の特徴)、ほうれん草、なると、ゆで卵、メンマ、海苔
代表的な店舗
◆ 盛昭軒(老舗・元祖)
- 住所:筑西市甲273-9
- 営業時間:11:30〜15:00、17:00〜19:00
- 定休日:月曜日
- 価格:ラーメン600円、ワンタンメン850円
- 特徴:昭和32年創業の老舗。市内30店舗弱に麺を卸す「総本家」的存在。お土産用冷凍商品も販売
◆ 盛信軒
- 住所:筑西市下平塚603-17
- 営業時間:10:00〜20:15
- 定休日:火曜日
3. 水戸藩らーめん —— 水戸黄門ゆかりの歴史ロマンラーメン

基本情報
- 発祥地: 茨城県水戸市
- 起源: 1665年、徳川光圀が中国の儒学者・朱舜水からラーメンを献上されたという伝説
- 現代版発売: 1993年(バブル崩壊後の町おこしとして再現)
どんなラーメン?
「水戸黄門のラーメン」として観光客に人気の歴史再現ラーメン。レンコン粉を練り込んだ茶色い麺と、漢方医学に基づく**「五辛」の薬味**(ニラ、ラッキョウ、ネギ、ニンニク、ショウガ)が特徴の、薬膳的な性格を持つ独特の一杯です。
【五辛(ごしん)の効能】 陰陽五行思想に基づき「五臓の気を発する」とされる5種類の薬味。風邪予防や体を温める効果が期待できます。
代表的な店舗
◆ 石田屋 水戸藩らーめん
- 住所:水戸市
- 特徴:1947年創業の老舗、現在水戸市内で貴重な提供店
4. 豆腐みそラーメン —— 三世代で愛される優しい味

基本情報
- 発祥地: 茨城県常陸大宮市(県北部)
- 考案店: 中国飯店
- 価格帯: 700円程度
どんなラーメン?
「豆腐とネギの味噌汁がこんなに美味しいのだから、味噌ラーメンに入れても美味しいに違いない」——このシンプルな発想から生まれた、子どもからお年寄りまで食べやすい優しい味のラーメン。ざく切りの豆腐とネギがたっぷり入り、辛味を控えたまろやかな味噌スープが特徴です。
代表的な店舗
◆ 中国飯店(発祥の店)
- 住所:常陸大宮市石沢1821
- 営業時間:11:00〜14:00
- 定休日:水曜日(他不定休)
◆ 天下一らーめん
- 住所:日立市大みか町2-14-1
- 特徴:地元産赤ネギ(レッドポアロー)使用、20年以上味を変えない秘伝の味噌ダレ
茨城県ラーメンの歴史・背景
日本ラーメン史の原点:水戸藩らーめんの伝説

1665年、水戸黄門こと第2代水戸藩主・徳川光圀は、明から亡命してきた儒学者・朱舜水(しゅしゅんすい)から中華麺を献上されました。これが「日本最古のラーメン」とされる説の根拠となっています。
1697年には西山荘で僧侶や家臣にふるまったという記録もあり、徳川光圀が日本で最初にラーメンを食べた人物という説は長く信じられてきました(ただし、2017年の研究で室町時代の記録が発見され、「最古」の称号には議論があります)。
現代の水戸藩らーめんは、バブル崩壊後の1993年に町おこしとして再現されたもの。水戸市の製麺業者「川崎製麺」が、料亭「大塚屋」の大塚子之吉氏の監修のもと、当時のレシピを現代に蘇らせました。
茨城ラーメンの現在:イベントと新店の隆盛
【主要ラーメンイベント】
- つくばラーメンフェスタ: 毎年10月開催
- 北関東ラーメンフェスタ: 2024年より開催、北関東3県をつなぐ一大イベント
- 東京ラーメンショー vs 大つけ麺博 in つくば: 2024年11月開催
【注目の人気店(ラーメンデータベースランキング)】
- 煮干中華ソバ イチカワ(つくば市):98.750点
- 麺や 虎徹(行方市):97.808点
- 特級鶏蕎麦 龍介(土浦市):96.596点
茨城県は今、ご当地ラーメンと最先端のラーメン店が共存する、熱いラーメン激戦区となっています。



