福島県ご当地ラーメンガイド

福島県は日本のラーメン文化において極めて重要な地位を占める「ラーメン王国」です。県内には喜多方ラーメン、白河ラーメン、郡山ブラックという「福島三大ラーメン」をはじめ、それぞれが100年近い歴史を持つ多様なご当地ラーメンが発達しています。

特に喜多方ラーメンは札幌ラーメン、博多ラーメンと並ぶ「日本三大ラーメン」の一つとして全国的に知名度を誇ります。福島県は南北方向に延びる山脈・山地によって3つの地域(浜通り・中通り・会津)に分かれており、それぞれの地域で独自のラーメン文化が花開いています。

全国的に有名なラーメン

喜多方ラーメン
喜多方ラーメン(引用元:FUKUSHIMA TRIP

1. 喜多方ラーメン

特徴:「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる一般的な麺より水分を多く含んだ麺が大きな特徴。コシのある幅3~4mmほどの太麺で、独特の縮れがスープによく絡む。スープは醤油味の透明な豚骨スープが基本で、あっさりした味わい。

発祥地・代表店:

  • 源来軒(1925年創業)- 喜多方ラーメンの源流とされる老舗
  • 坂内食堂(喜多方ラーメンの「御三家」の一つ)- 「食べログ ラーメン EAST 百名店」選出歴
  • まこと食堂(1950年創業)- NHKなどメディアで取り上げられ全国的に知られるきっかけとなった

知名度:全国区(日本三大ラーメンの一つ、2021年には文化庁の「100年フード」に認定)

歴史:1927年頃、中国浙江省出身の潘欽星さんが屋台を引いてラーメン(支那そば)を売り歩いたことが始まり。蔵のまち喜多方として観光地化が進む中で、1980年代にラーメンブームが到来。

2. 白河ラーメン

白河ラーメン
白河ラーメン(引用元:ふくしまの旅

特徴:豚骨や鶏ガラを主体とした醤油ベースの澄んだスープと、スープが絡みやすい多加水の幅が広い縮れ麺が大きな特徴。伝統的には、木の棒で麺を打ち、包丁で切り出し、手で揉んで縮れをつける手打ち麺。縁を食紅で塗り、炭火で焼いてから煮るチャーシューを使う店も多い。

発祥地・代表店:

  • とら食堂(1969年開店)- 白河手打ちラーメンの元祖とされる、「食べログ ラーメン EAST 百名店」選出歴
  • 手打中華 すずき(白河ラーメンの名店)
  • 亀源跡(1921年創業の元祖店、現在は碑のみ)

知名度:全国区(ラーメン愛好家には「白河の聖地」として有名)

歴史:白河ラーメンの発祥は、白河の汁粉店「亀屋」の二代目であった木伏源松が、横浜で修行して1921年に白河本町に開店した亀源とされる。竹井寅次が作るラーメンが美味しいと評判になったことから、弟子入りを志願する人達が竹井の元を訪れるようになり、修業した人達が独立してラーメン店を出店という連鎖を繰り返すことで広がった。

地域限定・市町村別ラーメン

3. 郡山ブラック

郡山ブラック
郡山ブラック(引用元:KORIYAMA ココチカナビ

特徴:同じ福島県内の喜多方ラーメンや白河ラーメンと同様、醤油ベースのラーメンではあるが、両者のスープがいずれも澄んだ薄い色合いであるのに対し、醤油の色が濃く、スープが黒いのが大きな特徴。黒いスープの見た目と違ってまろやかな味と評される。

発祥地・代表店:

  • ますや本店 台新店(元祖「ますや食堂」の味を受け継ぐ)
  • 郡山中華そば しょうや(2002年に閉店した名店「ますや分店」の味を再現)
  • 麺屋 信成(人気店、黒醤油ラーメンが自慢)

知名度:地域で有名(福島三大ラーメンの一つ、2024年以降は幸楽苑が期間限定で全国販売)

歴史:明治時代に郡山駅前で創業し、かつて存在していた「ますや食堂」の醤油ラーメンが元祖と言われており、その味をベースとして市内のラーメン店へと広がっている。「郡山ブラック」という呼称は、2009年に地元の情報誌面に初めて登場し、その後テレビなどを通じて広く知られるようになった。

4. 会津ラーメン

特徴:平打ちの縮れの太麺が特徴。スープは豚骨ベースが基本となり、お店によって醤油や味噌などのアレンジがされている。会津若松市大戸町三寄周辺には複数の名店が集中している。

三角屋食堂の中華そば
三角屋食堂の中華そば(引用元:100年食堂

発祥地・代表店:

  • 三角屋食堂(会津ラーメンの発祥とされる)
  • うえんで(昭和47年より営業、焼き鳥が名物のラーメン店)
  • 牛乳屋食堂(大正時代から続く老舗、ソースカツ丼でも有名)

知名度:地域で有名(会津地方の郷土料理として親しまれている)

歴史:会津若松市の「三角屋食堂」が最初とされる。食堂の主人が、大正から昭和初期にかけて横浜に出稼ぎに行き、そこでラーメンを食べて会津に戻り、食堂を始めたのが起源。当時は豚の肉を使用することから会津ではあまり好まれなかったが、その味が少しずつ評判となり、店で修行する者なども出てきて結果、会津全域に広まった。

歴史的ご当地ラーメン

5. いわき市のラーメン文化

麺屋 海山の海山ラーメン(引用元:Retty

特徴:明確な統一ブランドはないものの、海の幸を活かした魚介系スープや、地元に根ざした老舗食堂のラーメンが特徴。細ストレート麺を使用する店が多く、あっさりとした醤油スープが主流。

代表店:

  • チーナン食堂(1953年創業の老舗)
  • 麺遊心(自家製極細麺が特徴)
  • 麺屋 海山(桜海老がトッピングされた海山ラーメンが名物)

知名度:地域で有名(浜通り地方の食文化として親しまれている)

歴史:港町いわき市ならではの海の幸を活かしたラーメン文化が発達。東日本大震災からの復興と共に、地域の食文化として再注目されている。特に小名浜港周辺では漁港らしい海鮮系ラーメンが楽しめる。

独特な発祥を持つラーメン

幸楽苑の歴史

幸楽苑の中華そば(引用元:幸楽苑

福島県会津若松市で1954年に創業した「味よし食堂」が現在の幸楽苑の始まり。現在では全国450店舗を展開する大手ラーメンチェーンへと成長し、福島県から全国へとラーメン文化を発信し続けている。

福島県ラーメン文化の独自性

福島県のラーメン文化は、全国でも類を見ない多様性と深い歴史性を持っています。県内各地で異なる特色を持つご当地ラーメンが共存し、それぞれが100年近い歴史を誇っています。

地理的多様性の影響 福島県は南北方向に延びる山脈・山地によって3つの地域に分かれており、各地域の気候や食材、文化的背景がラーメンの発達に大きく影響しています。会津地方の喜多方ラーメン、中通りの白河ラーメンと郡山ブラック、浜通りのいわき市など、地域ごとに全く異なるラーメン文化が形成されています。

朝ラー文化の定着 特に喜多方市では「朝ラー」と呼ばれる朝食にラーメンを食べる独特の文化が根付いており、農作業や早朝の運動を終えた市民や夜勤明けの人たちに愛され続けています。現在も20店ほどが朝ラーを実施しており、喜多方ラーメンの特色の一つとなっています。

麺の技術革新 福島県のラーメンは麺の技術革新においても先進的です。喜多方ラーメンの「平打ち熟成多加水麺」、白河ラーメンの手打ち縮れ麺など、各地域で独自の製麺技術が発達し、それぞれのスープに最適化された麺が作られています。

観光資源としての発達 福島県のご当地ラーメンは単なる食文化を超えて、重要な観光資源として発達しています。特に喜多方市では「蔵のまち」としての観光地化と共にラーメン文化が全国に知られ、白河市では「ラーメンの聖地」として多くのラーメン愛好家が訪れています。

福島県は、伝統と革新が見事に調和した、日本のラーメン文化の多様性を象徴する地域として、今後もその魅力を全国に発信し続けることでしょう。

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