徳島ラーメンをご存知でしょうか?東京の醤油ラーメンや博多の豚骨ラーメンほど全国的な知名度はないかもしれませんが、その独特の味わいと個性で、ラーメン通の間では「知る人ぞ知る逸品」として高い評価を得ている四国が誇るご当地ラーメンです。
茶色く濁った豚骨醤油スープに、甘辛く煮込まれた豚バラ肉(チャーシュー)が特徴的で、何より「生卵」や「中華麺の上に乗った豚肉」という他のご当地ラーメンにはない独自性を持っています。徳島の人々に愛され続けてきたこのラーメンは、一度食べると忘れられない味わいとして、多くのラーメンファンを虜にしています。
今回は、この魅力あふれる徳島ラーメンの歴史から作り方まで、徹底的に深掘りしていきます。
この記事のもくじ
徳島ラーメンの歴史と起源

発祥の経緯
徳島ラーメンの歴史は1950年代に遡ります。徳島市の繁華街・秋田町で、いのたに本店(現在の「いのたに」の元店)が提供し始めたのが始まりとされています。当時は「中華そば」と呼ばれていましたが、その独特のスタイルが徐々に周辺の店舗にも広まり、「徳島ラーメン」として地域の食文化として定着していきました。
地域文化との関わり
徳島県は古くから養豚が盛んな地域で、豚肉の消費量も多い土地柄です。そのため、豚骨をベースにしたスープと豚バラ肉をたっぷり使用する徳島ラーメンが発展したことには、地域の食文化や産業との深い結びつきがあります。また、徳島の伝統的な食文化である「すだち」を使うお店もあり、地元の食材と融合した独自の進化を遂げてきました。
全国への広がり
長らく地元徳島で愛されてきた徳島ラーメンですが、2000年代に入ってからラーメンブームと共に徐々に全国的な注目を集めるようになりました。東京や大阪などの大都市でも徳島ラーメン専門店がオープンし、その独特の味わいが県外のラーメンファンにも認知されるようになってきています。
徳島ラーメンの基本的な特徴

スープの特徴
徳島ラーメンのスープは、豚骨と醤油をベースにした濃厚なスープが特徴です。豚骨を長時間煮込んで抽出したコクのあるスープに、徳島県産の濃口醤油を合わせることで、茶褐色の濁ったスープに仕上がります。
豚骨のコクと醤油の旨味が絶妙にバランスを取り、他の豚骨ラーメンとは一線を画す風味を持っています。博多ラーメンのような白濁したスープではなく、醤油のコクが効いた独特の味わいが特徴で、徳島県民のソウルフードとして親しまれています。
麺の特徴
徳島ラーメンに使われる麺は、主に中太のストレート麺です。小麦粉を使った一般的な中華麺で、スープとの絡みを考慮した太さと硬さが特徴です。茹で加減は一般的に「やや固め」が好まれ、濃厚なスープとバランスよく口の中で調和します。
独特のトッピング
徳島ラーメンの最大の特徴は、何と言っても甘辛く煮込まれた豚バラ肉(チャーシュー)です。一般的なラーメンのチャーシューとは異なり、醤油と砂糖で甘辛く煮込まれた豚バラ肉が麺の上に乗せられます。このチャーシューは薄切りではなく、ある程度の厚みを持った角切りで提供されるのが一般的です。
さらに徳島ラーメンの大きな特徴として、生卵がトッピングされることが挙げられます。スープの熱で半熟状態になった卵黄を絡めて食べるのが地元流の食べ方です。他にも、ネギ、もやし、メンマなどが使われますが、主役はあくまで甘辛い豚バラ肉と生卵です。
「肉入り」と「肉抜き」
徳島ラーメンには「肉入り」と「肉抜き」というオーダー方法があります。「肉入り」は前述の豚バラ肉が乗ったスタンダードなスタイル、「肉抜き」はチャーシューなしのシンプルなラーメンを指します。地元では両方を注文し、好みによって使い分ける人も多いようです。
地元での食べ方

徳島流の食べ方
徳島ラーメンを地元流に楽しむなら、まずは生卵を崩して麺と絡めて食べるのがポイントです。豚バラ肉の甘辛い味わいと、とろりとした卵黄の組み合わせが徳島ラーメンの醍醐味です。
辛さの調整
徳島ラーメンの中には、辛みを加えた「辛口」バージョンも存在します。これは主に唐辛子を使って辛みを加えたもので、「大辛」「中辛」「小辛」などと辛さのレベルを指定できるお店もあります。辛味と豚骨醤油スープの相性は抜群で、辛さ好きにはたまらない一品です。
徳島ラーメンの有名店
いのたに

徳島ラーメンの元祖とされる「いのたに」は、徳島市秋田町に位置する老舗店です。創業以来変わらない味を守り続け、地元の人々に愛され続けています。濃厚な豚骨醤油スープと、柔らかく煮込まれた豚バラ肉が特徴で、徳島ラーメンの原点を味わいたい方には是非訪れていただきたいお店です。
いのたにの店舗情報
- 住所:徳島県徳島市西大工町4丁目25 猪谷ビル
- 電話番号:088-653-1482
- 営業時間:10:30〜17:00
- 定休日:月曜日
- URL:http://www.inotani.jp/instanthp/page01.html
東大 本店

徳島市内にある「東大」も徳島ラーメンの名店として知られています。特に豚バラ肉の味付けに定評があり、甘辛いタレで煮込まれた肉は絶品と評判です。スープはやや醤油の風味が強めで、コクのある味わいが特徴です。
生卵無料発祥のお店でもあります。
東大 本店の店舗情報
- 住所:徳島県徳島市大道1丁目36
- 電話番号:088-655-3775
- 営業時間:11:30〜04:00
- 定休日:年中無休
- URL:http://www.inotani.jp/instanthp/page01.html
麺王

徳島県内に複数店舗を展開する「麺王」も、徳島ラーメンの代表的な店舗の一つです。特徴的なのは、スープの濃さや麺の硬さ、トッピングなどを細かく指定できるカスタマイズ性の高さです。徳島ラーメンの伝統を守りながらも、現代的なアレンジを加えた進化系の味を楽しむことができます。
麺王 徳島駅前本店 店舗情報
- 住所:徳島県徳島市寺島本町東3丁目6 旭ビル 1F
- 電話番号:088-623-4116
- 営業時間:10:00〜0:00
- 定休日:年中無休
- URL:http://www.inotani.jp/instanthp/page01.html
自宅で楽しむ徳島ラーメン

本格的な味を再現するコツ
自宅で徳島ラーメンを楽しむ場合、最も重要なのはスープと豚バラ肉の味付けです。スープは豚骨からとるのが理想的ですが、時間がかかるため、豚骨スープの素に濃口醤油を加えるという方法でも代用できます。
豚バラ肉は、醤油、砂糖、みりん、酒などで甘辛く煮込むのがポイントです。柔らかくなるまでじっくり煮込むことで、本場の味に近づけることができます。
材料リスト
自宅で徳島ラーメンを作る際の基本的な材料は以下の通りです:
スープの材料:
- 豚骨(または豚骨スープの素)
- 濃口醤油
- にんにく
- しょうが
- 長ねぎの白い部分
チャーシューの材料:
- 豚バラ肉(ブロック)
- 醤油
- 砂糖
- みりん
- 酒
- にんにく
その他の材料:
- 中太ストレート麺
- 生卵
- 刻みねぎ
- もやし
- こしょう(お好みで)
簡単再現レシピ
忙しい方でも手軽に徳島ラーメンを楽しめる簡単レシピをご紹介します:
- 豚バラ肉の準備: 豚バラ肉を一口大に切り、フライパンで表面を軽く焼きます。醤油、砂糖、みりん、酒、にんにくを加え、中火で20分ほど煮込みます。肉が柔らかくなり、タレにとろみがついたら完成です。
- スープの準備: 市販の豚骨スープに濃口醤油を加え、にんにくとしょうがのみじん切りを入れて10分ほど煮込みます。好みの濃さに調整してください。
- 麺とトッピング: 中太ストレート麺を袋の表示通りに茹で、ざるにあげます。丼にスープを注ぎ、麺を入れ、煮込んだ豚バラ肉をのせます。最後に生卵、刻みねぎ、もやしをトッピングすれば完成です。
当店の徳島ラーメンセットを使えば、さらに本格的な徳島ラーメンを手軽に楽しむことができます。特に豚骨醤油スープは徳島の老舗店の味を参考に開発しており、自宅でも本場の味わいを再現できます。
徳島ラーメンにまつわる豆知識

「徳島ラーメン」の名称
実は「徳島ラーメン」という名称は、地元では長らく使われていませんでした。地元の人々は単に「中華そば」と呼んでいたものが、県外での認知度が高まるにつれて「徳島ラーメン」として広まったという経緯があります。
全国ご当地ラーメンランキングでの評価
徳島ラーメンは、全国のご当地ラーメンランキングでも常に上位にランクインする人気メニューです。特に「独自性」や「インパクト」の面で高い評価を受けており、ラーメン通の間では必ず一度は食べておくべき一品として知られています。
徳島ラーメンと阿波尾鶏
徳島県は「阿波尾鶏(あわおどり)」という地鶏の産地としても有名です。一部の徳島ラーメン店では、豚骨スープに阿波尾鶏のエキスを加えることで、より深みのある味わいを実現しているところもあります。
まとめ:徳島ラーメンの魅力

徳島ラーメンは、豚骨醤油の濃厚なスープと甘辛い豚バラ肉、そして生卵という独自の組み合わせで、他のご当地ラーメンとは一線を画す個性的な味わいを持っています。地元・徳島で長年愛され続けてきたその味は、近年ようやく全国的な注目を集め始めています。
豚骨ラーメン好きの方、醤油ラーメン好きの方、どちらも満足できる絶妙なバランスの一杯は、ラーメン好きなら一度は試していただきたい逸品です。
自宅で本格的な徳島ラーメンを楽しむなら、当店の徳島ラーメンセットがおすすめです。簡単な調理で、徳島の名物ラーメンを手軽に味わうことができます。ぜひ、四国が誇る徳島ラーメンの魅力を、ご家庭でも体験してみてください。